すべてオタクの妄想

カラメテMV 考察というか妄想。

お久しぶりです。

またもや不穏大好きオタクによる考察…というより妄想とこじつけをそれっぽく話しているだけの記事です。


今回はこちら。
MeseMoa.さんの10thシングル『カラメテ』


www.youtube.com



来たぞ!不穏だ!!!

なおこちらで述べている内容は付焼刃の知識ですので、誤りがあったらすみません。

ぬるい目でさらっと読み流していただけますと幸いです。


歌詞や振付は切り離して、MVの映像のみで考えています。
文中ではメンバー敬称略で失礼致します。


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舞台は中世ヨーロッパ。

服毒による王の自死を皮切りに、

残された者たちの思惑が引き起こす悲劇。


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◆モチーフ

 

言わずもがな最後の晩餐ですね。
エス・キリストと12人の使徒の絵画。
エスの処刑前夜、使徒の中に裏切り者がいると予言する有名な作品です。
ここで当てはめることができると考えられるのはメインの3名。

中央の白服はイエス
左隣のあおいがヨハネ
その隣のとみたけがユダ、もしくはペトロ。

ヨハネは最年少にしてイエスの大弟子。エスが愛した弟子とされています。

最後の晩餐は最も有名なレオナルド・ダ・ヴィンチ以外にもたくさんの画家に描かれていて、エスの胸元に身を寄せるような描写がされているものもあります。


ユダはイエスの居場所を金銭と引き替えに売り渡し、処刑の片棒を担いだ弟子。
裏切り者の代名詞とされている。
順当に考えるととみたけがユダかと思いますが、私はペトロの可能性もあると考えています。

ペトロはイエスの一番弟子。
エスが最初に弟子に迎え入れた人物で、弟子の中でも主格の存在。

 

とみたけの目線は白服への裏切りや反旗の意思ではなく、あおいへの嫉妬や憎しみを感じます。
王である白服に一番近しいところにいたのは自分だったのに、年少のあおいにその位置を奪われてしまった。
白服はあおいへの寵愛を隠そうとせず、またあおいもそれをわかっていて、驕りとも取れるような立ち振る舞いをする。
とみたけはそんなあおいを赦すことができなかった。



◆階級


白服:王
あおい:王が寵愛していた貴族
とみたけ、野崎弁当、ノックソ、にーちゃん:貴族
気まぐれプリンス、フォーゲル、二番煎じ:騎士

白服とあおいの関係は全てのシーンからわかりますね。

貴族と騎士の違いも端々で描かれていています。

・晩餐の器
貴族と騎士でジェラートの器が異なる。
ガラスの器の有無に加え、貴族は装飾の施された皿、騎士は何もないただの白い皿。

・葬送と王座
貴族は葬送では棺の周りに集まり、王座では跪く。
騎士はいずれのシーンでも王の背後に控え、まっすぐ前を向いています。


あおいは白服の崩御後、ためらいなく王のマントを引き継いだことから、王の弟や息子など王族の後継になりうる地位も考えましたが、お皿が他の貴族たちと変わらないことと、そもそも身内とそういうキスはしないですよね。

もっとも、他の貴族たちより上位階級である可能性はあります。
なお、あおい以外の貴族については西洋では右(向かって左側)を上位とするため、王座のシーンを見るに野崎弁当が最も地位が高いと取れる。
奇襲のシーンでも野崎弁当がとみたけとともにあおいの元へ向かっていますね。

あおいがマントを羽織り立ち去った後、気まぐれプリンスがその後ろについていくシーンでは主と従者を彷彿とさせます。
王を護衛する、所謂近衛騎士団のようなものでしょうか。



◆ストーリー

度々出てくる晩餐、蝋燭の数は時系列。
このカットを挟んだ後のシーンを順に並び替えていきます。

〇蝋燭1本(2:34)
王座につく白服と跪く貴族たち。
彼らの表情は固く、ノックソとにーちゃんが目くばせをする様子から、白服への忠誠が本心でないことが見て取れます。
ただ一人、あおいだけは晴れやかな表情で白服の手の甲にキスをする。
手の甲へのキスは「忠誠」「敬愛」。
それを憎しみを込めた表情で見つめるとみたけ。


〇蝋燭2本(2:02)
デキャンタのワインに注がれる水色の液体。
注がれている時の机の模様が王の机と同じことから、第三者が毒を盛ったワインを差し出した可能性は低く、また静かにこと切れているため、自死であると思われます。
白服の元に何者かが訪れ、モノクルと毒薬を回収する。
ひじ掛けに置かれていたはずの右手が滑り落ちる描写は脈を確認したか、手を絡めたか。


〇蝋燭3本(4:23)
毒薬を見つめるとみたけ。先ほどの影は彼であったことがわかります。
足音が聞こえ、見上げるとあおいの姿が。
白服に向けていたものとはまるで違う、見下すような、蔑むような視線。
ここの晩餐カットだけ、とみたけとあおいの位置が入れ替わっているんです。
つまり、あおいの位置がユダ。
とみたけは眠る白服の姿を思い出し、まさかあおいが、と考えたのではないでしょうか。
そして自分の手元には「毒薬」があることに気が付く。


〇蝋燭4本(1:38)
王の葬送。
白い百合の花言葉は「威厳」。
眠る王を見て暗い表情を浮かべる貴族たち。
あおいは白服のマントを翻してその場を立ち去る。
新しい王となるあおいの後を気まぐれプリンスが追います。


〇蝋燭5本(3:00)
棺に横たわる白服。
先程までと打って変わって笑みを隠せない野崎弁当。
ノックソとにーちゃんもくすくすと笑いながら何かを話しています。
彼らは王の崩御が嬉しくて仕方ない様子。
それを訝しげに見つめるフォーゲルと二番煎じ。
とみたけは神妙な面持ちでモノクルを見つめるが、やがてその口元にも笑みを浮かべます。
場面は変わり、あおいは気まぐれプリンスに白服の幻影を見る。
手を絡め、柔らかな表情で抱きしめるところからあおいの白服に対する敬愛の念は偽りではなかったことがわかります。


〇蝋燭6本(2:52)
通りがかるノックソとにーちゃんに頭を下げるフォーゲルと二番煎じ。
突然、二人が背後から襲い掛かり、それぞれの戦闘にもつれ込みます。
恐らく、白服、ひいてはあおいの転覆を目論みる彼らにとって、王直属である騎士たちが邪魔だったのでしょう。


〇蝋燭7本(3:34)
あおいと気まぐれプリンスの元にもとみたけと野崎弁当が奇襲をかけます。
なおこの場面は先ほどあおいが白服の幻影を見たシーンとは繋がっていません。
マントをしていませんし、部屋も違います。葬送すぐの出来事ではなく、少し後のことだと推察できます。
野崎弁当と相打ちになる気まぐれプリンス。


〇蝋燭8本(0:46)
あおいととみたけをはじめ、各所で貴族と騎士の戦闘。
にーちゃんと二番煎じ、ノックソとフォーゲルもそれぞれ相打ちとなって倒れます。
野崎弁当との会話の中、気まぐれプリンスが最期に思い浮かべたのはあおいとの記憶でした。
あおいを抱き締め返してそっと目を瞑り、小さな笑みを浮かべる気まプリ。
目を瞑るという描写から、あおいが自分ではなく白服を見ていることに気がついていたのかもしれません。


〇蝋燭9本(3:44)
あおいととみたけではあおいの方が剣術の腕も上手でした。
葬送後、あおいが時折白服の幻影を見ることに気が付いたとみたけは打ち負け地面に伏せたあと、モノクルをかけます。
そして思惑通りに・・・

〇蝋燭10本(0:10)
とみたけに白服の姿が重なり口づけるあおい。
とみたけは口に毒を含んでいました。
王を愛した二人は王と同じ毒に倒れる。


王を失い、すべての登場人物が同様の道を辿ることとなりました。


◆ジャケット写真

最後に、ジャケット写真にも触れたいと思います。


正面を向く白服。
他のメンバーはほとんどが右を向いているが、とみたけと気まぐれプリンスだけ左を向いている。

一般的に右は未来や前進など、ポジティブなイメージ。
左は過去や退行など、ネガティブなイメージとされています。

とみたけの中にはあおいに対する嫉妬心や憎しみがあったのは言わずもがな。
気まぐれプリンスにもまた別な心があったことを表しているのではないでしょうか?
毒薬が水色であること、あおいに抱きしめられたとき、口元に笑みを浮かべていたこと。
あおいに特別な愛情があり、白服がいなくなった今、代わりでもいいからあおいに愛してほしかった、なんてことがあったのかもしれませんね。
ちなみに冒頭で述べた最後の晩餐でとみたけをペトロとした場合、体ではなく顔の位置で考えると気まぐれプリンスの位置がユダにもとれるのです。

対価と引き替えに裏切り者となったユダと、あおいからの愛が欲しかった気まぐれプリンス。
もしかすると陰で糸を引いていたのはーーー